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書評 続「他人の目」が気になる人へ

続「他人の目」が気になる人へ ひとりがラクになるヒント 水島広子

本の紹介

精神科医の著者による本です。「他人の目」が原因で「ひとりがつらい」と感じるときについて書かれています。「ありのままの自分」が「つながっている」という感覚が持てないと、人と一緒にいても「ひとり」を感じてしまうといいます。

この本を手に取った理由

学生のころ、ひとりで行動している時に、他の人からどう思われているのか強烈に気になる感覚がありました。徐々に減ってきたものの、今でも人からどう思われているのか気になります。人から、「気にしすぎだよ」「他の人はあなたのことをそんなに気にしていない」と言われても、どうしようもないと思っていました。この本のタイトルを見て思わず手に取ってしまいました。

引用抜粋

前著でも解説しましたが、実は「他人の目」を気にするという心理は、他人を気にしているようでいて、他人をきちんと認識していないときの感覚です。

「他人の目」とは、自分自身の思い込みや自分の事情が反映されたものなのです。「想像上の他人」と言ってもいいでしょう。

 リアルな人間関係の経験に乏しく、人間の実際の姿をあまり知らない人が、「他人の目」を気にしがちだといえます。ただし、これは「対人関係能力がない」「友達が少ない」という意味ではありません。

 ここに至るまで、リアルな人間関係を避けてしまう、その人なりの事情があったのだということです。

(p.96 他人を知らないから「他人の目」がうまれる)

本を読んだ感想

「他人の目」というのは、他人を気にしているようで、想像上の他人の考えを想像している自分の考えなのだという言葉に納得しました。

「本人にしかわからない事情がある」の項で、ひとりひとり成育環境や今までにどんな体験をしてきたかなど、それぞれ異なっているのだから、ひとりで食事をしている人を見たときに、「きっと寂しい人なんだ」と決めつけるのは未熟な考えだという言葉にも救われる思いがしました。お互いが他人を「こういう人なんだ」とすぐに決めつけず、何か事情があるのかもしれない、と一瞬考えてから接するといいよな、と思いました。

まとめ

 「ありのままの自分」や「今」につながっている感覚をもてるようになることが「他人の目」を気にしすぎて動けなくなることから抜け出るヒントになることが分かりました。

 人から見られる自分を気にしているときより、自分が相手や周囲に対してできることを考えて働きかける方が健康的な心持ちでいられるというのはしっくりきます。

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